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アセンブルポイントが入社直後から海外経験を積む新制度を導入でグローバル人材育成

スタートアップや成長企業の人材課題を支援するアセンブルポイントが、4月10日にグローバル人材育成を目的とした新制度の導入を発表した。特徴的なのは、新卒社員を対象に「入社直後から海外での業務経験を積む」機会を提供する点にある。従来のオンボーディングプロセスを大胆に見直し、入社1年目からグローバルな視点を養う育成方針へと舵を切った格好だ。

同社によれば、今回の制度は“Global Entry Program(GEP)”と名付けられ、2025年度新卒社員から本格的に適用を開始。対象社員は、アジア圏を中心とした複数の拠点に数ヶ月間派遣され、現地企業とのプロジェクト推進やマーケット調査、業務改善などの実務を通じてスキルを磨くことになるという。

背景には、顧客ニーズのグローバル化と人材の多様化がある。アセンブルポイントは、国内外の企業と連携しながら新規事業支援や組織設計、採用戦略などの支援を手がけてきたが、特に近年は海外市場を視野に入れたプロジェクトが増加傾向にあるという。この変化に対応するべく、若手社員の段階から国際感覚と多文化理解を育む必要性が高まっていた。

新制度における派遣先は、シンガポール、マレーシア、ベトナムなど、同社がすでにパートナーシップを築いている地域が中心。現地ではビジネス英語を用いた会議への参加、現地企業との共同ワークショップの運営など、実践的な活動が予定されている。また、帰国後は、海外経験を踏まえた事業提案や戦略立案にも携わることで、早期にコア人材としての成長を促す狙いがあるようだ。

この取り組みは、人材業界においても先進的な事例といえる。一般的に、海外駐在や現地研修といった制度は、ある程度の社歴を積んだ中堅社員が対象となることが多く、新卒1年目から海外業務に従事するケースは稀だ。アセンブルポイントでは、グローバルな環境で得られる「気づき」や「視野の広がり」こそが、個人のキャリア形成だけでなく、企業としての競争力強化にもつながると捉えているという。

制度設計にあたっては、現地での住居や生活面でのサポート体制、メンタリング制度の整備にも注力。語学面の不安やカルチャーショックへの対応を含め、心理的安全性を確保するための工夫が随所に盛り込まれているようだ。

アセンブルポイント代表 宮下 崇氏は、「これからの時代は“グローバル人材”という言葉が特別なものではなく、むしろ前提条件になる。だからこそ、早い段階から実体験として海外を知ることが重要」と語り、今後は中途採用社員やインターン生にも制度を拡大していく考えだという。
若手人材の可能性を信じ、早期から挑戦の機会を与える同社の姿勢は、企業の成長と個人の成長をリンクさせる新しい人材戦略として注目されそうだ。