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ウタイテがシリーズBで77億円を調達し海外展開の本格化を目指す

5次元IPコンテンツを手がけるウタイテが、シリーズBラウンドで総額77億円の資金調達を実施した。これにより累計調達額は126億円に達したという。調達により、国内事業の基盤強化に加え、海外展開を本格的に推進する構えだ。

ウタイテは、「2.5次元×音楽×テクノロジー」をテーマに、IPコンテンツの企画・制作・展開を行うスタートアップ企業だ。実在するアーティストとアニメやキャラクター的な要素を融合させた“5次元IP”という独自のカテゴリを切り開き、ライブイベントや映像作品、音楽配信、SNSなど多様なチャネルでの展開を行っている。ミュージックとストーリー、ビジュアルを一体化させた複合的なコンテンツ戦略により、若年層を中心としたファンベースを拡大してきた。

今回のシリーズBラウンドには、グローバル・ブレイン、KDDI Open Innovation Fund、SMBCベンチャーキャピタル、STRIVEなどの国内外の有力投資家が参加したとされる。前回ラウンドで調達した資金を活用し、主力コンテンツの強化や新規IPの立ち上げ、制作体制の内製化を進めてきたウタイテだが、今回の調達は“次のステージ”に向けた布石となる。

中でも注目されるのは、海外市場への本格進出だ。これまで国内で積み上げてきたIP開発のノウハウや世界観の構築力を武器に、アジア圏を中心としたグローバルファンの獲得を目指す。すでに英語や中国語圏向けのコンテンツ翻訳や現地SNSの活用、国際的なIPパートナーシップの検討が進められているという。また、コンテンツのデジタル化にも力を入れており、生成AIやボーカロイド技術、モーションキャプチャを活用した新たな表現手法の導入が進行中だ。これにより、従来型のメディア展開にとどまらない“次世代型IP”の創出を目指す。

創業からわずか数年で100億円超の資金を集めるに至った背景には、エンタメ領域におけるIPとファンエンゲージメントの新たな潮流がある。ウタイテはその波を捉え、次なる成長ステージへと駆け上がろうとしているようだ。