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リコーがアクセラレータープログラム「TRIBUS 2025」を始動

リコーが、オープンイノベーションを軸とした事業共創プログラム「TRIBUS(トライバス) 2025」を始動した。6月2日に発表された同プログラムは、今年で第7期目となり、社内外の起業家やスタートアップとの共創を通じた新規事業創出を目的としている。今回は過去最大となる11の事業領域を設定し、新たな外部パートナーとの連携を図るという。

TRIBUSは、リコーが2019年に開始したアクセラレータープログラム。社内の新規事業提案制度と連動させながら、スタートアップやベンチャー企業と共同で事業開発を進める点が特徴だ。これまでに、農業支援、サイネージ、リモートワーク支援など多岐にわたるテーマで事業創出が行われてきた。単なる資本提携に留まらず、共に顧客課題に取り組み、PoCや製品開発、実証実験を通じたスピーディな事業立ち上げを志向している。

今年の「TRIBUS 2025」では、これまでの実績と学びを踏まえ、対象となる事業領域を11テーマへと拡大。製造業のデジタル変革(DX)や地域課題の解決、働き方改革、健康支援、サステナビリティ領域など、社会的要請の高いテーマが網羅されている。プログラム期間中は、リコーの社内起業家との連携を通じ、事業化を見据えた具体的な共創活動が実施される予定だ。
また、今回の募集では、単に技術やサービスを持つスタートアップだけでなく、「課題解決の意志」や「社会変革への情熱」を重視する姿勢が打ち出されている。選考を経て採択されたチームは、リコーの事業部門や研究所、顧客ネットワークとの連携機会を得られるほか、最終的には事業化の可能性がある共同プロジェクトの立ち上げが視野に入る。

リコーはこの取り組みを通じて、「自前主義からの脱却」と「スピード感ある事業創出」の両立を図っている。社内の知見とスタートアップの柔軟性を掛け合わせることで、より実効性の高い新規事業を次々と世に送り出す狙いだ。実際、過去のTRIBUSからは複数のプロジェクトが実証を経て事業化のフェーズに進んでおり、企業の枠を越えたイノベーション創出の実績も着実に積み重ねている。
今期のTRIBUSでは、2025年の社会像を見据えた新たな価値創出が期待される。既存事業の枠組みにとらわれない挑戦者たちが集い、新たな社会モデルを描く場として、プログラムの進展が注目される。