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shizaiがシリーズBにて6.2億円の調達で製造強化と海外展開を加速

包装資材プラットフォーム「shizai」を展開する株式会社shizaiが、2025年6月30日、シリーズBラウンドの資金調達を実施したと発表した。調達額は非公表ながら、累計調達額は約6.2億円に達したという。今回の資金調達により、shizaiは製造領域の強化とシステム開発の加速を図る方針だ。

shizaiは、「ものづくり産業にデザインとテクノロジーを」を掲げ、D2CやEC事業者向けにオーダーメイドの包装資材をワンストップで提供するプラットフォーム「shizai」を運営している。従来は煩雑だったパッケージの発注プロセスをオンライン化し、全国100以上の工場と連携して調達・生産を効率化。ユーザーはロットや印刷方式、納期などの条件に応じて柔軟に工場を選定でき、価格と品質の最適化が可能となっている。また、包装設計やサステナブル素材の提案など、ブランディング支援機能も特徴のひとつで、スタートアップから大手企業まで幅広い顧客層に対応している。

今回のシリーズBラウンドでは、既存投資家のフォローオンに加えて、新たに複数の事業会社やベンチャーキャピタルが参加した。具体的な出資者名や調達額は明かされていないものの、関係者によれば資金は主に以下の3点に充てられるという。

  1. 製造ネットワークの拡充と品質管理体制の強化
  2. 自社開発システム「shizai OS」の機能拡張
  3. プロダクトデザインや環境配慮素材に関するR&D

shizaiは2022年のサービス正式ローンチ以降、成長を続けており、これまでに累計2,000社以上の利用実績を持つ。特に、EC市場の拡大やサステナビリティ意識の高まりを背景に、単なる資材調達ではなく、ブランド体験の一部としての「パッケージ」に注目が集まっており、同社の存在感も増している。

同社は今回の調達を受け、「調達や製造にかかる時間・コスト・コミュニケーション負荷を減らし、よりクリエイティブに“つくる”ことができる世界の実現」を目指すとしており、今後は海外展開や他業種連携も視野に入れる構えだ。

素材の調達からデザイン、製造、納品までをシームレスにつなぐshizaiのモデルは、製造業における“余白”を可視化し、業界全体の効率性と持続可能性を高める可能性を秘めている。プロダクトを通じて新たなブランド価値を生むプラットフォームとしての今後に期待が寄せられる。