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三井不動産が半導体共創法人“RISE-A”を設立

三井不動産株式会社が、2025年7月16日に半導体産業を軸とする新たな産業共創法人「RISE-A(Rise for Industry and Semiconductor Ecosystem Association)」の設立を発表した。経済安全保障や先端技術の国際競争力が問われる中、産業界・学術界・スタートアップを横断的に巻き込んだ共創の枠組みが本格始動する。

RISE-Aは、「先端産業の社会実装を加速させるプラットフォーム」を標榜し、次世代半導体を中核としたエコシステムの形成を目指す。法人の理事には、半導体業界やアカデミア、スタートアップ支援に実績を持つ専門家らが参画し、研究開発や人材育成、社会実装に向けた支援プログラムを実装していく方針だ。

三井不動産は、東京・日本橋を起点に「ライフサイエンス」「フードテック」「宇宙産業」など多様な分野の共創拠点を展開してきたが、RISE-Aの設立によって“半導体”という基盤技術においても共創体制を整える構えとなる。法人設立と同時に、初期参加企業として国内の製造業、スタートアップ、研究機関など複数の組織が参画。今後はグローバル企業や自治体との連携も視野に入れ、プロジェクト単位での共同研究や社会実装プロジェクトが進められるという。

半導体産業は、日本政府が成長戦略の柱に掲げる重点領域のひとつ。台湾TSMCや米インテルによる国内拠点設立などの動きと並行し、裾野の広い人材育成やベンチャーの活性化が求められている。こうした中で、民間主導の共創法人としてRISE-Aが果たす役割は大きい。

同日公開されたプレスリリースでは、「開かれた共創」を掲げ、業種や企業規模に関わらず参加できる柔軟な設計が明らかにされた。デジタルインフラの国産化や先端素材の開発、AIと半導体設計の融合など、多岐にわたるプロジェクトが構想段階にあるという。

産業界と都市開発を接続してきた三井不動産の知見と、半導体を取り巻く社会課題・技術課題とが交差するこの取り組みは、日本型イノベーション・エコシステムの新たなモデルとなる可能性を秘めている。