【グローバルビジネスインタビュー】海外で挑戦するキャリアウーマン—山﨑梓氏に学ぶ、これからの”女性の働き方”
近年、働き方の多様化が進み、女性のキャリア選択肢も広がってきている。そんな中、自らのキャリアを切り拓き、海外で活躍する女性たちが注目されるが、実際に海外でキャリアを築くには多くの壁を乗り越える必要がある。語学や文化の違い、キャリアチェンジのリスク、そして女性ならではのワークライフバランス。
今回のインタビューでは、ドバイの不動産会社APEX CAPITAL REAL ESTATEでProperty Consultantとして活躍する山崎梓氏に、海外で働くことの魅力やキャリアを築く上での挑戦について話を聞くことができた。彼女の経験からこれからの女性の働き方について大きなヒントを得られるだろう。
【プロフィール】
山崎 梓氏 (やまざき・あずさ)
APEX CAPITAL REAL ESTATE
Property Consultant
沖縄県生まれ。アメリカ、カリフォルニア州の大学でビジネス、会計、ファイナンスを専攻。卒業後はKPMG監査法人に入社し、シリコンバレーおよび東京支社でIT・外資系金融企業の監査業務を担当。その後、クレディ・スイス証券に転職し、東京とシンガポール支社の内部統制監査を担う。2021年5月にドバイへ移住し、現在は不動産会社APEX CAPITAL REAL ESTATEで活躍中。
■海外でキャリアを築く決断
海外でキャリアを積むにあたりどのような考えがあり、いつ頃から海外でのキャリアを考え出したのだろうか。
「元々、海外への興味があったため、アメリカの大学へ進学し、卒業後も現地企業への就職でキャリアを積んでいたという背景があります。 金融のお仕事を辞めた時は子どもの出産のタイミングも近く、子どもの教育を日本、海外問わずに考えた時も、できれば英語の環境で学ばせてあげたいという思いもあり、再び海外へ興味が向くようになりました。 シンガポールなど、複数の国で移住の可能性を探っていたのですが、この時はコロナ禍のタイミングで移住できる国の選択肢が限られる中、ドバイは治安も良く、多民族国家のため多様な視点で子育てをできることに魅力を感じ、移住を決意しました。」
山崎氏にとってドバイ移住は、仕事での魅力だけでなく、今後の子育てにおいても大きな魅力があったという。
■異業種へのキャリアチェンジの決断
長年金融業界で活躍していた山崎氏が、なぜ未経験の不動産業界へのキャリアチェンジを決意したのか。その背景には、ドバイという都市の持つ可能性と、リスクを恐れずに挑戦する姿勢があったという。
「先にお伝えした子育ての視点においてもドバイは魅力的に映りましたが、ドバイは都市の発展スピードも著しく、不動産業界の将来性にも大きな魅力を感じ、アペックスキャピタルへ就職しました。 一方でドバイの不動産エージェントは完全歩合制の報酬体系を取る会社も多く、契約が取れないと収入が全くないという状態になるという不安もありました。 そのため、成果を出すために、ドバイの不動産業界経験が長く、成功している経営陣の近いところで日々状況が変わる最新の物件情報や業界トレンド、お客様への提案方法などのドバイ不動産エージェントとしての作法を見て、実践することで、いち早く身に着けることを心がけました。 合わせて、私自身も日本国内と海外の不動産投資経験があったため、その投資経験で感じていた事を元に、お客様へご提案することで多くの日本のお客様に納得感を持っていただくことができるようになったと実感しています。」
■海外で働くことの魅力と女性のキャリアの可能性
海外で働くことは、日本とは異なる価値観やビジネス環境に触れる貴重な経験となる。特に女性のキャリアに関しては、日本よりも可能性が広がっていると山崎氏は語る。
「日本との大きな違いとして、国家としての歴史が浅く、発展のスピードもとても速いため、その面白さを目の当たりにできることが最大の魅力と感じています。 ドバイに暮らす人の90%ほどが外国人という多民族国家のため、一つの物事をとらえるにしても、その考え方の幅広さは日本よりもとても大きいです。 お互いの価値観、宗教観や商習慣をリスペクトしながら、丁度良い着地点を探り、物事を進めていく事はその都度私自身の学びにもなりますし、そのような新しい文化を取り入れていくことは、ビジネスのみならず、人生の経験値を大きく飛躍することにもなっていると実感しています。」
■仕事とプライベートのバランス
不動産業界で働く山崎氏のワークライフバランスはどのようになっているのだろうか。キャリアを積むということを考えると生活の中心は仕事になっているのではないかと考える人も多いだろうが、山崎氏はこう述べる。
「不動産エージェントの仕事は、お客様のペースに合わせて動いていくため、状況によっては早朝、深夜の時間や、週末にも働くことも多いですが、子どもの学校のイベントやまとまった休暇を事前に計画、調整することで取ることも出来るので、自分の裁量で心身共にバランスを取りながら働けていると実感しています。」
■今後の展望と働く女性へのエール
山崎氏のキャリアの歩みからは、環境や状況の変化に柔軟に対応しながらも、自らの意志で道を切り拓くことの重要性が伝わってくる。
「不動産業界という場所で、ご自身の経験を元に、英語と日本語を使いながらチャレンジしていく仲間も募集しています。興味がある方はぜひチャレンジしてほしいですね。」
今後も山崎氏のさらなる飛躍とドバイという舞台での活躍が期待される。彼女のように自分の可能性を信じて挑戦を続けることで、新たなキャリアの扉が開かれていくのではないだろうか。