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スタクラが創業14年目にして初の資金調達で起業家支援プラットフォームの成長加速を目指す

起業家支援サービスを展開するスタートアップクラス(以下、スタクラ)が、みずほキャピタルを引受先とする第三者割当増資により、約1.5億円の資金調達を実施したと発表。創業14年目にして初の外部資本の導入となり、事業の拡大フェーズに本格的に踏み出す形だという。

スタクラは2011年に創業された、起業家支援に特化したスタートアップスタジオ型の企業。創業初期の起業家に対し、事業計画の立案、資金調達、採用支援、メンタリングといった多面的な支援を提供してきた。自社で蓄積したノウハウを活かし、現在は法人・個人双方に向けた伴走型の支援プログラム「Startup Class Program」を主軸とする。また、地方創生や官民連携のプロジェクトにも多数関与し、地域発の起業支援にも力を入れている。

今回の資金調達により、スタクラは起業家向けの支援メニューをさらに拡充する方針を掲げる。特に注力するのは、支援の“体系化”と“プロダクト化”だ。従来のマンツーマンでの支援に加え、より多くの起業家にリーチするためのオンラインプログラムやコミュニティ構築ツールの開発に資金を投じる予定だという。また、起業家支援の現場で蓄積された知見をもとにしたナレッジベースや教材の整備も視野に入れており、「起業の学校」としての立ち位置をさらに強化する構想もある。スタクラの代表・井上氏は「今までは支援対象を絞っていたが、これからはより多くの人が起業に挑戦できる環境をつくっていきたい」とコメントしている。

一方で、調達元となったみずほキャピタルは、スタクラの持つ「草の根レベルからの起業支援ノウハウ」に着目し、国内のスタートアップエコシステムのすそ野を広げる存在として期待を寄せているようだ。地方創生・女性起業家支援など社会的インパクトの高いプロジェクトを多く手がけてきた点も、今回の出資判断の一因と見られる。

これまでスタクラは、あえて自己資本による事業運営を選び、少数精鋭の支援体制を守ってきた。しかし起業家支援へのニーズが広がるなかで、よりスケーラブルな仕組みづくりが求められていたという。今回の資金調達は、同社の事業基盤とインパクトの拡大を両立させる第一歩となりそうだ。
地道な活動を続けてきたスタクラが、次のフェーズにどのような成長曲線を描くのか。起業家支援の領域において、同社の動向が一層注視されるタイミングとなっている。