国内大手のシェア別荘サービスのSanuがシリーズBで60.5億円を調達

セカンドホームのあり方を再定義するSanuが、シリーズBラウンドで総額60億5,000万円の資金調達を実施した。5月29日に発表された今回の調達には、既存投資家に加えて新規投資家も複数参画しており、今後の事業展開に向けた大きな転機となる見通しだ。
Sanuは、「自然の中に、もう一つの家を。」をコンセプトに、全国の自然豊かなロケーションに建てられたセカンドホームをサブスクリプション形式で利用できる「SANU 2nd Home」を展開するスタートアップだ。会員は、東京や関西からアクセス可能な拠点を自由に選び、自然と調和した暮らしを手軽に体験できる。都市部に住みながらも週末には自然の中で過ごすという、新しいライフスタイルの選択肢を提示しており、サステナブル建築や地域との共生を重視した運営が特徴となっている。
今回のシリーズBラウンドでは、事業基盤の拡充と技術開発に加えて、新規拠点の開設や利用体験の向上を目的とした資金が充てられるという。特にサブスクリプション管理システムや予約最適化アルゴリズムの強化により、よりスムーズなユーザー体験の提供を目指す。さらに、環境負荷の少ない建材や運営手法の研究も進める方針を掲げている。
Sanuはこれまでにも、建築家やエンジニアと連携したモジュール型の木造建築や、自然再生を意識した土地利用計画など、社会性と経済性を両立させた成長を遂げてきた。累計調達額はこれにより大きく増加し、2025年以降の国内外への展開も視野に入れつつある。
都市と自然のあいだに、より柔軟で自由なライフスタイルを創出していくSanuの取り組みは、これからの暮らし方そのものに問いを投げかける存在となりつつある。