Siiibo証券が総額16億円を調達し個人向け社債プラットフォームの拡充へ

社債発行・購入プラットフォームを展開するSiiibo証券が、総額16億円の資金調達を実施したと発表。今回の資金調達により、プロダクト開発体制の強化や、個人投資家向けの新たな金融商品の拡充を図る方針のようだ。
Siiibo証券は、「債券投資をもっと身近に」をミッションに掲げるオンライン証券会社である。伝統的に機関投資家向けに限定されてきた社債投資を、一般の個人にも開放する仕組みを構築してきた。企業にとっては柔軟な資金調達手段を提供し、投資家にとっては新たな資産運用の選択肢を広げるプラットフォームとして注目されている。社債の設計から発行、購入までをデジタル上で完結できる点が特徴であり、フィンテックと証券ビジネスを掛け合わせた革新的なモデルを推進している。
今回の資金調達は、Siiibo証券が展開するビジネスモデルの成長性が評価された結果とみられる。調達した資金は、特に以下の領域に活用される予定だという。
まず、社債発行のプロセスをさらに効率化・高度化するためのプロダクト開発に注力するとのことだ。これにより、より多様な企業がスムーズに社債を発行できる環境を整備し、発行企業数の拡大を目指すという。また、個人投資家向けのマーケティング施策やサービス改善にも注力する方針だ。社債という資産クラス自体が日本ではまだ一般的とは言えない中、利回りの安定性や元本償還の仕組みを丁寧に伝え、投資家層の拡大を狙う。教育コンテンツやUX向上施策を通じて、これまで債券投資に馴染みのなかった層へのリーチを強化していく考えだ。
Siiibo証券は、今後の展望として「社債の民主化」を一層推進する意向を示している。中小企業を中心に、銀行融資や株式発行以外の資金調達手段として社債が一般化する未来を見据え、プラットフォームの機能拡張と市場開拓を続ける方針のようだ。
同社は2020年に第一種金融商品取引業の登録を完了し、以降、フィンテック領域での証券ビジネスに特化した独自のポジションを確立してきた。今回の調達を機に、さらにその存在感を高めることが期待される。
資金調達環境が厳しさを増す中、Siiibo証券の動きは、フィンテック×資本市場領域における新たな可能性を示すものと言えそうだ。