管理職向けコーチングサービスを提供するmentoがシリーズBラウンドで16億円を調達

管理職向けのコーチングプラットフォームを提供するmentoが、シリーズBラウンドにて総額16億円の資金調達を実施した。今回のラウンドには、既存投資家に加えて複数の新規投資家が参加しており、今後のプロダクト強化および事業基盤の拡充に向けた動きが加速する見通しだという。
mentoは、現場の管理職層が抱えるリーダーシップやチームマネジメントの課題に対し、専門のコーチによる1on1セッションやフィードバック支援を提供している。従来の研修型人材育成とは一線を画す個別最適化された支援が特徴であり、人的資本経営への関心が高まる昨今、多くの企業から注目を集めている。
企業ごとの課題や育成方針に応じてカスタマイズされたプログラム設計が可能であり、導入企業はIT業界や製造業、サービス業など多岐にわたる。継続率の高さや受講者からの定性的な評価も、mentoのサービス価値を裏付けているという。
今回調達した資金は、プロダクト開発の加速、コーチ陣の拡充、顧客基盤の強化に充てられる予定だ。特に、AIを活用したフィードバック自動化機能や、管理職の成長トレンドを可視化するダッシュボードなど、データドリブンな機能強化が進められるとされる。
また、コーチ陣に対しても研修制度を導入し、質の高いセッション提供を維持・向上させる体制整備に注力していく。今後は、国内のみならずアジア圏での展開も視野に入れており、グローバルな人材育成ソリューションとしてのポジション確立を目指す構えだ。
代表取締役CEOの木村憲仁氏は、「今回の資金調達により、より多くの管理職が持つ“孤独な意思決定”や“曖昧な期待値”といった課題に向き合う支援体制を強化していきます。1人のマネージャーが変われば、そのチーム全体の成果や組織文化に波及する。私たちは、その変化の起点をつくる存在でありたいと考えています」と述べている。
人的資本への投資が経営戦略の重要テーマとなる中、mentoのようなコーチングサービスの存在感はさらに高まっていくことが予想される。マネジメント層の成長が企業全体の成長に直結するという認識が浸透しつつある今、mentoの取り組みは、企業変革の起爆剤となる可能性を秘めているようだ。