明大発新興のポル・メド・テックが5.1億円調達
ポル・メド・テックが、5億1000万円の調達を発表した。同社は腎臓病に苦しむ患者への移植技術の確立を目指しているようだ。2024年11月には、ほかの動物に移植しても拒絶反応が起きないように遺伝子を改変したブタの腎臓をサルに移植したという。調達資金は臓器を提供するブタの生産拡大に充てるとのこと。
今回の調達は、畜産関連建物の設計・施工を手掛けるセキネと日揮ホールディングスのコーポレートベンチャーキャピタルなどが第三者割当増資を引き受けた。

ポル・メド・テックとは、明治大学バイオリソース研究国際インスティテュートの研究成果を社会実装する目的で2017年2月に設立し、医療用ブタによる臓器移植・再生医療事業や、疾患モデルブタの製造販売事業などを行う企業だ。遺伝子改変技術や体細胞クローニング技術を駆使し、指定病原体フリーの医療用ブタを開発している。2024年2月には、米国のバイオテクノロジー企業eGenesisと共同で、国内初となる異種移植用の遺伝子改変クローンブタの生産に成功したようだ。これらの研究成果は、臓器移植のドナー不足を根本的に解消し、移植待機中の患者にかかる負担の軽減に寄与するだけでなく、ブタの医療応用の持続可能な基盤構築に貢献していくと述べた。
26年にもヒトへの腎臓移植を目指し、現在は明大内の施設で腎臓移植用のブタを生産している。26年にも外部に新しい生産施設をつくり、年間で数百頭単位でブタを供給できるようにしていくようだ。長嶋比呂志氏は、「臓器移植を待つ多くの患者に届けるためには持続性のある体制づくりが必須だ」と語った。
■ポル・メド・テック公式HP
https://pormedtec.com/
出資を引き受けたグローバル・ブレインは、ポル・メド・テックの異種移植医療分野の革新的な取り組みと、実績のある科学者と経営者のチームを評価し今回の出資を決定したようだ。今後、日揮グループと連携し、ポル・メド・テックの事業成長と医療分野への貢献を支援していくという。