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総合広告代理店のアド・ベストがJapan マーケティングWeek【夏】を開催

2025年6月18日から20日にかけて東京ビッグサイトで開催されている「Japan マーケティングWeek【夏】」において、総合広告代理店のアド・ベスト株式会社が、子育て世代に特化した成果報酬型広告ASP「ad‑p(アドピー)」を出展している。展示ブースでは、同サービスの仕組みや導入実績、さらにはママ向けインフルエンサーとの連携施策についても具体的に紹介されている。

アド・ベストは、広告代理店としてテレビCMやWeb広告、イベント企画など多様なマーケティング支援を手がけてきた企業だ。従来のマス広告とデジタル広告を融合させることで、クライアントの販売促進やブランド認知を支援しており、特に育児・教育・日用品領域に強みを持っている。今回の「ad‑p」は、そうした実績を背景にした新たな広告プロダクトの一環として位置づけられている。

「ad‑p」は、“子育て世代に届けたい商材があるが、リーチ手法がわからない”という課題に応えるために設計された成果報酬型広告ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダー)だという。主なクライアントは育児用品メーカーや食品・日用品ブランドなどで、サービスリリース当初から保護者層を中心に安定的なコンバージョン獲得が報告されている。最大の特徴は、主婦やママインフルエンサーのリアルな声と体験を活かした広告配信設計であり、単なるデジタル広告にとどまらない立体的なPR効果が期待できる点にある。

展示会場では、ad‑pの登録手順や広告配信の設計例がパネルや動画で紹介されており、広告主だけでなくインフルエンサーや代理店関係者の来訪も目立った。実際に「ad‑p」で活動しているママインフルエンサーを招いたトークイベントも同時開催されており、実際の活用事例や報酬モデル、信頼性のある情報発信の重要性などについて、登壇者の体験を交えて紹介された。こうしたイベントは、単なるサービス展示にとどまらず、広告主と生活者を結びつける新たな接点の場として機能しているようだ。

また、アド・ベストでは「ad‑p」を単独のサービスにとどめず、同社が展開するコンテンツマーケティングやSNSキャンペーン、タレントキャスティングといった既存メニューとの連携も進めている。これにより、広告主は特定のターゲット層に対して、一貫性のあるメディア戦略を立てやすくなり、より高い費用対効果が見込まれるという。

近年、子育て層のライフスタイルは多様化しており、従来のテレビCMや紙媒体だけではリーチしにくいという課題が浮上している。一方で、SNSを活用した情報発信や口コミは依然として大きな影響力を持っており、特に同世代の共感や信頼を基盤とするインフルエンサー施策は、実購買への影響も高いとされている。ad‑pは、こうした市場環境の変化に適応したソリューションとして、広告主・媒体主の双方に新たな選択肢を提供する形となっている。

今後は、ad‑pを軸としたより多様なジャンルへの展開や、ターゲット層の精緻化、報酬体系の柔軟化なども検討しているといい、単なるASPにとどまらないマーケティング支援のプラットフォームへと進化する可能性もある。生活者視点を起点に設計された本サービスは、広告の在り方そのものを見直す契機となるかもしれない。