株式会社ギフティは、2022年10月に正式ローンチした「Corporate Gift」サービスが3周年を迎えたことを発表した。同サービスは、企業が取引先・顧客や従業員にギフトを贈り、関係性強化を図るもの。
ギフティは2010年の創業以来、個人向けデジタルギフトサービスからスタートし、2016年に法人および自治体向けサービス「giftee for Business」を開始した。当初はBtoC企業の販促・マーケティング施策向けデジタルギフト提供が中心だったが、顧客ニーズに応える形でサービスを拡張してきた。「giftee for Business」サービス全体では、2025年9月末時点で導入案件数が累計70,000件を突破した。

4つの成長戦略で事業を拡大
代表取締役の太田睦氏は「キモチの循環を促進することで、よりよい関係でつながった社会をつくる」というミッションのもと、eギフトを軸に人・企業・まちの間に縁を育むサービスを提供していると語る。現在、同社のeギフトプラットフォーム事業は個人向け、法人向け、ブランド向け、自治体向けの4つのサービスを展開している。

今回開催された報道関係者向けの説明会では、執行役員でgiftee for Business 事業部 本部長の篠塚 大樹氏が、「giftee for Business」サービスの成長戦略として以下の4つを挙げた。
- コンテンツの拡張:
デジタルギフトだけでなく、企業・団体のオリジナルグッズや体験ギフトなど、シーンに応じた多様なコンテンツを提供
- ギフトフォーマットの拡張:
受取手が好きな商品を選べる「giftee Box」やさまざまなスマホ決済サービスやポイントを自由にえらべる「えらべるPay」など、多様化するユーザーニーズに対応
- 配布ソリューションの拡張
ギフト配布システムや即時抽選機能など、企業の配布業務を効率化するオプション機能を提供
- 提供領域の拡張
プロモーション領域からコーポレートギフト、ガバメントギフトへと用途を拡大
特に注目すべきは、2021年リリースの「giftee Box」だ。従来のカタログギフトは配送コストの関係で単価が高額になることが一般的だったが、「giftee Box」はデジタルで完結させることで数百円から受取人が好きな商品を選べる仕組みを実現した。グッドデザイン賞を受賞し、同社の主力商品となっている。
また、2024年には、ポイントの付与・管理からデジタルギフトとの交換までワンストップで実現可能なポイントプログラム基盤「giftee Point Base」の提供を開始。みずほ銀行の新たなポイントサービス「みずほポイントモール」に採用され、「みずほギフト」として他社共通ポイントやデジタルギフトへの交換が可能になっている。
さらに、2025年には、企業の会員サービスと連携し、既存会員向けの効果的なキャンペーン施策やリワードプログラムの実装を継続して実現する新たなキャンペーン基盤「giftee Reward Suite(ギフティ リワードスイート)」の提供を開始。日本生命保険の個人保険契約向けサービス「NISSAY ハピネスナビ」における「ハッピーギフト」サービスに採用されるなど、大手企業での導入が進んでいる。

コロナ禍を機にBtoE領域が急成長
コーポレートギフト市場は欧米を中心に拡大している。2022年から2025年の期間中、年平均成長率(CAGR)は高い数値で成長を続けた。
国内では、コロナ禍によるリモートワーク普及を背景に従業員向けギフトの問い合わせが急増。冒頭の通りギフティは2022年10月に「Corporate Gift」サービスを正式ローンチし、導入案件数は2025年9月末時点までに約4倍に成長した。
篠塚氏によると、用途の大半は従業員向けで、永年勤続表彰や企業の周年記念、誕生日ギフト、福利厚生など、多様なシーンで活用されている。コンテンツは、「giftee Box」を始めとするデジタルギフトに加え、企業・団体のオリジナルギフトの製作を支援する「STUDIO GIFTEE」のニーズも高まっているという。
企業の「想い」を形にする|STUDIO GIFTEEの取り組み
「STUDIO GIFTEE」は、ギフトの企画から体験設計までをワンストップで支援する専門チーム。STUDIO GIFTEE Managerの池田 亜矢子氏は「ギフトは単なる物ではなく、感情のスイッチを押すもの。相手のことを考えている気持ちが伝わることが重要」と語る。
事例として、三井不動産がオフィスビルに入居する顧客向けに実施する「COLORFUL WORK」プロジェクトのギフトが紹介された。従来のボールペンやクリアファイルなどのノベルティでは関係性が深まらないという課題に対し、「働くを楽しくする」をコンセプトに、オリジナルブレンドコーヒーとタンブラーのギフトセットを企画。社員がコーヒーのブレンド体験に参加することで、取引先に「語れるストーリー」を提供し、コミュニケーションのきっかけを創出した。
また、BtoE領域では、株式会社Sales Markerの結婚・出産祝いギフトを紹介。従業員数が数十人から500人規模に急増する中、エンゲージメント向上を目指し、家族の食卓に寄り添うカトラリーを手書きメッセージカードとともに贈る施策を実施した。現金ではなく「形に残るギフト」で気持ちを伝えることの重要性が強調された。
デジタルギフトで福利厚生を刷新|giftee Benefit
Gift Distribution Corporate Gift Directorの熊谷 優作氏は、福利厚生に特化したプログラム基盤「giftee Benefit」を紹介した。2024年9月リリースの同システムは、物価高騰や賃上げを背景に福利厚生制度の見直しを検討する企業のニーズに応えるものだ。
2025年4月には機能を拡張し、ポイントプログラムに加えて、デジタルギフトの割引購入ストアとクーポンアプリをメイン機能として搭載し福利厚生プログラム基盤として提供開始。従業員が好みのデジタルギフトを割引価格で購入できるほか、フィットネスジムやホテル、映画館などで利用できる各種クーポンを取得できる専用アプリを提供している。
導入事例として、株式会社IHIターボサービスを挙げた。従来のパッケージ型福利厚生サービスでは利用率が1桁台にとどまっていたが、「giftee Benefit」導入後はログイン率が80%近くまで向上。入社記念や誕生日のタイミングで感謝のメッセージとともにポイントを付与するなど、従業員エンゲージメントの向上に成功している。熊谷氏は「導入企業担当者から、近年のダイバーシティの広がりに伴い、日常・非日常問わず個人が選択できる福利厚生を探していたところ、「giftee Benefit」を介しインセンティブとして提供するデジタルギフト多さに魅力を感じた。というお声もいただいている」とコメントしている。
今後の展望|セミカスタムギフトの拡充へ
篠塚氏は今後の展望として、フルオーダーとレディメイドの中間に位置する「セミカスタム」ギフトの拡充を挙げた。フルオーダーは質が高い一方、時間とコストがかかる一面がある。セミカスタムではカスタマイズ可能な範囲を一部に定めることで納期を短縮しつつオリジナル性を確保できるという。
また、従業員向けを中心に誕生日ギフトや周年記念など多様な用途への対応を強化。福利厚生領域では「giftee Benefit」を軸に、企業が従業員向け施策で困った際に「ギフティを思い出してもらえる」存在を目指す。
「Corporate Gift」の案件数は来年、累計1万件を超える見込みだ。BtoC領域のプロモーションに続く新たな成長ドライバーとして、同社の事業拡大を牽引することが期待される。
「キモチの循環」を生み出すギフトの力
ギフティの「Corporate Gift」サービスは、デジタルギフトの手軽さと物理ギフトの温かみを組み合わせ、企業と従業員、企業と取引先・顧客との関係性強化を支援している。コロナ禍を機に顕在化した「つながりの希薄化」という課題に対し、ギフトという形で「キモチの循環」を生み出す同社の取り組みは、今後も多くの企業にとって重要な選択肢となるだろう。
