
2025年3月19日に、CO₂排出量可視化サービスを提供するアスエネがリコーと連携し、東京都が主催する「社会課題解決型スタートアップ支援事業 Tokyo Co-inNovators【コンセプト検証支援】第1期」に採択されたとのことだ。
本プロジェクトでは、アスエネが展開する「ASUENE ESG」サービスを用いて、リコーのサプライチェーン全体のCO₂排出量を可視化し、削減に向けた実証実験が行われるという。
この「ASUENE ESG」は、Scope1〜3に対応したESG/カーボンマネジメントクラウドで、排出量データの収集から分析・レポーティングまでを一気通貫で支援する。今回の実証では、リコーの材料調達から生産、出荷、さらにはサプライヤーに至るまで、各工程におけるCO₂排出量を可視化し、リスクや改善余地の抽出を試みるとのことだ。
特に注目されるのは、ASUENE ESGの分析者が現地に赴いて実際のデータを確認・検証する点である。これにより、排出量の見える化が机上の計算に留まらず、現場起点の実効的な取り組みとなる可能性が高い。製造から物流、販売まで一貫した可視化の実現は、リコーにとっても脱炭素経営を加速させる契機となるだろう。実証は今後、成果をもとに他企業や自治体への展開も視野に入れているようだ。ESGへの関心が高まる中で、両社の取り組みが持続可能な社会の構築にどこまで寄与できるか、今後の動向に注目したい。