電源の常識を変えるエイターリンクの技術革新

エイターリンクは、シリーズBエクステンションラウンドで18億円、ベンチャーデットで10億円を調達し、累計調達額は約68億円となった。 さらに、経済産業省が運営するスタートアップ支援プログラム「J-Startup」の選定企業にも選ばれているようだ。「J-Startup」とは、経済産業省が主導するスタートアップ支援プログラムとなっているようだ。世界で戦える日本発の企業を育てることを目的に、有望なスタートアップを選定し、官民連携で海外展開や資金調達などを後押ししているという。
エイターリンクとは、スタンフォード大学発のスタートアップ企業で、ワイヤレス給電技術を活用して配線のないデジタル世界の実現を目指している。 2020年8月に設立され、現在は80名の従業員を擁している。
同社の主力技術である「AirPlug™」は、空間伝送型ワイヤレス給電ソリューションであり、これにより従来の配線やバッテリー交換が不要となる。この技術は、工場の自動化(FA)、ビルマネジメント、医療用インプラントなど、さまざまな分野での応用が期待されている。
今後の展望として、エイターリンクは2025年3月にFA事業での量産品販売を日本、米国、カナダで開始する予定である。また、ビルマネジメント事業では、2024年3月よりAirPlug™ソリューションの販売を開始し、同年5月から米国での実証実験も進行中である。
エイターリンクの技術は、工場の生産ラインにおけるセンサーの断線リスクを低減し、メンテナンスフリー化を実現する可能性がある。また、ビルマネジメント分野では、環境センサーを活用して空調や照明を自動制御し、エネルギー効率の向上やコスト削減に寄与することが期待されている。
ワイヤレス給電技術の社会実装を加速させ、さまざまな産業分野での革新をもたらす可能性があり、今後の展開に注目だ。