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EdgeCortixgaシリーズBで累計約150億円を調達でエッジAI半導体の世界展開へ

エッジAI半導体スタートアップのEdgeCortix株式会社が、2025年8月26日、シリーズBラウンドを実施し、累計調達額が約150億円に到達したと発表した。今回の資金調達により、同社はグローバル市場での事業拡大と、次世代エッジAIプロセッサの開発を一層加速させる見通しだ。

EdgeCortixは、2019年に設立されたエッジAI半導体のスタートアップで、ディープラーニングに特化した独自アーキテクチャ「Dynamically Reconfigurable Architecture(DRA)」を開発している。従来のGPUやCPUでは効率化が難しいエッジ環境において、高性能かつ低消費電力でAI推論を実行できることが強みとされる。特に、監視カメラや自動運転、産業用ロボットといったリアルタイム処理が求められる分野において、導入効果が高いと期待されている。

今回のシリーズBラウンドでは、既存投資家に加え、海外の大手ファンドや事業会社も参画。これにより資金基盤を強化し、研究開発体制の拡充に加え、米国・欧州・アジアでの市場展開を本格化する方針だ。また、同社はファブレス半導体メーカーとして、外部の製造パートナーと連携しながら量産体制を整備し、グローバル顧客への供給体制を構築していく。

EdgeCortixはこれまでに、AI推論向けプロセッサ「Sakura」シリーズやソフトウェア開発ツール群を提供し、産業・防衛・医療分野での活用実績を積み重ねてきた。今回の大型調達により、次世代チップの開発を加速するとともに、既存製品のラインアップ拡充を図ることで、多様な産業ニーズに応えていく考えだ。

エッジAI市場は生成AIの普及を背景に急成長しており、特に電力効率とリアルタイム性を両立させる技術が求められている。EdgeCortixは独自技術を武器に、世界的な半導体競争の中で存在感を高めつつある。今回の資金調達は、日本発のディープテック企業として国際市場に挑む姿勢を鮮明にするものといえる。