tamura

大学と企業の関係を再設計するAlumnoteが7.6億円を調達しCross Campusを始動

2025年7月22日に大学支援とHR領域を手がけるAlumnote株式会社が、シリーズAラウンドにて総額7.6億円の資金調達を発表した。引受先にはALL STAR SAAS FUND、ディープコア、インキュベイトファンドなどが名を連ね、調達資金は人材採用やプロダクト開発体制の強化に充てられるという。

Alumnoteは、大学と卒業生をつなぐ寄付・関係構築支援SaaS「Alumnote」の提供を通じて、全国約30大学で導入実績を積み上げてきたスタートアップ。大学の業務効率化だけでなく、卒業生との継続的なつながりの可視化を図ることで、大学の財政基盤強化にも寄与している。

今回の資金調達にあわせて発表されたのが、新プロダクト「Cross Campus(クロスキャンパス)」だ。このサービスは、大学が保有する卒業生ネットワークを活用し、企業とのマッチングを実現するもの。第1号導入先には慶應義塾大学商学部が決定しており、採用・寄付活動の連携を通じて、大学と企業の新たな関係構築を促す。

新卒一括採用モデルに限界が見えつつある中、大学側も“卒業後の関係”の価値を再定義し始めている。Cross Campusは、そうした動きに呼応し、「教育機関×民間企業」の協働を加速させる仕組みとして位置づけられている。

代表の塚本純平氏は、「大学と企業が一方通行で関わる時代は終わり、これからは互いに資源やネットワークを共有するフェーズに入る」と語る。教育の現場から生まれたネットワークを企業活動にどう生かすか──その問いに、Alumnoteは実装レベルでの答えを示そうとしている。