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ガシャポン新シリーズ『CAP’in GALLERY』が登場・バンダイがガシャポンで”ギャラリー”を始めた理由

ガシャポンに「子どもの遊び」という印象を持つ人は、いまも少なくない。バンダイが2026年10月に立ち上げた新シリーズ「CAP’in GALLERY(カップインギャラリー)」は、その印象をさらに大人向けに更新しようとする試みだ。

渋谷で開かれたお披露目のPOP-UP STOREで、「CAP’in GALLERY」は先行公開された。カプセルに収められているのは、玩具というより”作品”に近い、手のひらサイズのフィギュアである。

アートトイ系の商品を、ひとつのシリーズに集約

ガシャポンは1977年にカプセルトイ市場に参入し、2026年で49年を迎える。アートトイ寄りの商品はこれまでも存在し、2024年12月に誕生したオリジナルシリーズ「VIRUSWEETS」はその代表例だ。背景には、カプセルトイ市場の急成長がある。日本カプセルトイ協会の調査によると、2025年度の市場規模は製造元出荷ベースで約1,960億円。前年度の約1,410億円から39%増えた。専門店は2026年1月末時点で全国900店舗を超え、前年から200店舗以上増加している。単価も上昇傾向にあり、400円と500円の商品が全体のほぼ半数を占める。CAP’in GALLERYの1回400〜500円という価格設定も、この流れに沿ったものだ。

バンダイによると、シリーズ誕生のきっかけは大きく2つある。一つは、POPMARTに代表されるアートトイの流行。もう一つは、カプセルトイ売り場でも既存キャラクターに頼らない、クリエイター発の商品が存在感を増していたことだ。そこで同社は、20〜30代に向けた”クリエイターズトイ”の開発に着手。その第一歩が、2024年12月に発売したVIRUSWEETSだった。

VIRUSWEETSが好評を得たことで、課題は「このカテゴリーをどう広げるか」に移った。同社が出した答えが、ガシャポン内に点在していたアートトイ・クリエイター系の商品を、ひとつのシリーズとして束ねて打ち出すこと。それがCAP’in GALLERYである。

名前に込めた「カプセル」と「ギャラリー」

CAP’in GALLERYは、アートとカプセルトイを掛け合わせたアートトイシリーズだ。シリーズ名は2つの言葉を組み合わせたもので、カプセルで作品と出会い、集めた作品で自分だけの展示空間をつくる、という楽しみ方をそのまま名前にしている。

  • 「CAP」:カプセル
  • 「GALLERY」:作品を集めて飾る場所

コンセプトとして掲げるのは、「ガシャポン自販機を回して、カプセルを開けると、アートに出会える。集めると自分だけの小さなギャラリーを作ることができる」。ガシャポンの手軽さと、アートトイのコレクター文化を結びつける狙いがある。

フィギュア本体には、クリア素材やメタリック塗装、パール塗装を組み合わせた。シリーズ内でサイズ感をそろえ、並べたときの統一感も意識している。

カプセル内のミニブック、ディスプレイシート、キービジュアル、自販機に至るまで、デザインは「斜めに傾いたカラフルな額縁」で統一した。その理由についてバンダイは、「商品が現代美術館のようなギャラリー空間に飾られたアート作品のように見えるため」と説明する。

CAP’in GALLERYは、次の3ラインで展開する。

  • オリジナルライン:VIRUSWEETS、LilGemilyなど、バンダイのオリジナルIP
  • クリエイターライン:人気クリエイターとのコラボ
  • キャラクターライン:既存キャラクターとのコラボ

第1弾では、次のコラボが並ぶ。

  • 人気イラストレーターの田中かえ氏
  • 東京のスニーカーカルチャーを代表する「atmos」のキャラクター”TENKYU”
  • オランダの人気絵本シリーズ「miffy」

今後は、次の商品も登場する予定だ。

  • アーティスト・矢入幸一氏の人気ゴーストキャラクター「Mooney the Ghost」
  • クリエイターのアメ氏による「クマども」
  • サンリオのキャラクター

販売スケジュールは次のとおり。

  • 10月2日から:全国のガシャポンバンダイオフィシャルショップ20店舗で順次先行販売
  • 10月第4週から:オフィシャルショップのほか、玩具売り場、量販店、家電店などの自販機で順次一般発売
  • 「VIRUSWEETS figure collection ~trick or treat~」:オフィシャルショップ限定で販売

「かえちゃんふぃぎゅあ」に見る立体化の精度

第1弾のなかでも完成度の高さが際立つのが、「かえちゃんふぃぎゅあ」だ。

デザインを手がけた田中かえ氏は、1995年神奈川県横浜市生まれ。2017年に多摩美術大学を卒業後、アーティスト活動を始めた。これまでに乃木坂46、オニツカタイガー、ビームス、新日本プロレス「エル・デスペラード」、テレビ「爆笑ヒットパレード2023」のデザインなど、幅広いジャンルとのコラボを手がけている。

クリエイターの選定基準について、バンダイの担当者は「フィギュア化すると魅力的になりそうなイラスト・アートを制作されていることや、20〜30代の男女にファンが多いことなどを基準にお声がけさせていただいております」と話す。

実物は、その基準を裏付ける仕上がりだ。イラストのタッチがほぼそのまま立体に置き換えられており、平面から立体化する際に生じがちな印象のずれがない。手のひらサイズながら、細部の作り込みも確かである。

こうしたクリエイターとの協業は、シリーズの間口を広げる役割も担う。CAP’in GALLERYは、カプセルトイのファンだけのものではない。アートトイに関心がある人や、好きなクリエイターの作品をもっと気軽に手元に置きたい人にとっても、作品と出会うきっかけになり得る点が、このシリーズの持ち味だ。

ブランドとしての目標について、担当者は次のように語る。

「まずはガシャポン内の新しいシリーズとして、今までガシャポンを購入する機会がなかったアートトイが好きな方やファッション・カルチャーへの関心が高いユーザーに届くブランドを目指したい。またご協力いただいた素晴らしいクリエイター様たちの存在・作品などを知っていただけるきっかけになったり、VIRUSWEETSやLilGemilyといった自社IPを生み出していけるようなブランドとして長く続けていけたらと思います」

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