ジオリーブグループが住友林業傘下2社を子会社化

ジオリーブグループ株式会社が、住友林業株式会社の傘下企業である住宅資材卸「井桁藤」(名古屋市)とサッシ加工販売「スミリンサッシセンター」(茨城県牛久市)の2社を子会社化することが明らかになった。M&A Onlineがまとめた2025年8月25日〜29日の一週間速報によると、本件は地方企業を中心としたM&A動向を示す象徴的な案件といえる。
ジオリーブグループは住宅関連資材の卸売事業を中核とし、全国にネットワークを広げている企業だ。人口減少や少子高齢化の影響で住宅需要が縮小傾向にあるなか、サプライチェーンの強化とエリア展開の拡大を通じて持続的な成長を模索している。今回の買収は、地域に根ざした事業基盤をさらに強固にする一手とみられる。
対象2社の2024年12月期売上高は、井桁藤が約198億円、スミリンサッシセンターが子会社を含め約95.6億円で、合計すると約294億円規模となる。営業利益はそれぞれ1.39億円と1,900万円、純資産は合算で約50億円に達する。ジオリーブグループはこれらを総額約30.7億円で取得する予定で、取得完了日は2026年1月5日とされている。
さらに、子会社化と同時に住友林業との資本業務提携も発表され、ジオリーブグループは住友林業の持分法適用関連会社となった。単なる事業買収にとどまらず、大手企業との協業体制を強化することで、サプライチェーンの効率化や事業シナジーの拡大を目指す姿勢が見て取れる。
井桁藤は名古屋、スミリンサッシセンターは茨城と、いずれも地方に拠点を置く企業である。地域密着型の事業基盤を取り込むことで、中部・関東エリアにおける事業体制を強化し、住宅資材卸と加工販売の両機能を組み合わせることで市場環境の変動に耐え得る構造を整える意図がうかがえる。
住宅需要が縮小傾向にある中、地方を舞台としたM&Aは業界再編の動きとして今後も加速する可能性がある。今回の取り組みは、資本提携とM&Aを組み合わせて事業基盤を拡張する一つのモデルケースとして注目されている。
