NTTデータが業務負荷をAIが一貫支援し60%削減を目指す『LITRON Marketing』を提供開始

NTTデータは2025年6月に企業のマーケティング業務を包括的に支援するAIエージェント型の新サービス「LITRON Marketing(リトロン・マーケティング)」の提供を開始したと発表。戦略設計から運用、クリエイティブ制作までのプロセスを一元的にカバーすることで、マーケティング担当者の業務効率を大幅に改善する仕組みだという。
NTTデータは、国内外でITサービスやコンサルティングを展開するグローバル企業。特に金融、製造、公共など幅広い業界において、デジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するソリューションの開発・導入を手がけており、近年はAIやクラウド、データ活用領域の強化を加速させている。
今回発表された「LITRON Marketing」は、NTTデータが開発したAIプラットフォーム「LITRON」シリーズの一環で、企業のマーケティング現場における課題をAIで解決することを目的としている。特徴的なのは、単なる業務の自動化にとどまらず、AIがマーケティング戦略の立案から施策設計、クリエイティブ制作、運用分析までを一気通貫でサポートする点だ。
具体的には、AIエージェントが市場分析や顧客セグメンテーションを行い、ターゲットに応じた訴求ポイントを提案。その上で、バナーや動画などのクリエイティブコンテンツの素案を生成し、配信媒体ごとの最適化まで対応するという。さらに、施策実行後はパフォーマンスを分析し、次の戦略にフィードバックを行うループ構造も備えている。
NTTデータによると、このプロセス全体をAIが担うことで、従来のマーケティング業務にかかっていた工数を最大で60%削減できると試算されている。これにより、担当者はより戦略的・創造的な業務に集中することが可能になるという。
昨今、マーケティングの高度化とともに、業務の煩雑さやスピード感への対応が求められている中、LITRON MarketingのようなAI活用による業務支援サービスへの期待は高まっている。特に、人材不足やノウハウ継承の課題を抱える企業にとっては、AIによる自動化と最適化は有力な選択肢となり得る。
今後は、企業ごとのニーズに応じたカスタマイズ機能の強化や、外部ツールとの連携機能の拡張も予定されており、多様な業界・業種への導入が見込まれている。AIと人の協働によるマーケティングの新しい形が、実践のフェーズに入りつつあるようだ。