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Visual BankがシリーズBで約11億円を調達

IP(知的財産)とAIを掛け合わせた支援ツールを開発するVisual Bank株式会社が、2025年8月25日、シリーズBラウンドにて約11億円の資金調達を実施したと発表した。今回の調達により、同社は研究開発体制の強化と、事業の全国展開を加速させる構えだという。

Visual Bankは、エンタメ・出版・広告領域におけるIP活用を支援するAIツールを提供するスタートアップだ。独自の自然言語処理と画像生成技術を組み合わせ、企業やクリエイターが保有するキャラクターやコンテンツのブランド展開を効率化するプラットフォームを展開している。これにより、IPの二次利用や新規市場でのマネタイズを可能にし、従来の人手依存型のプロセスをAIで最適化するのが特徴だ。

今回の資金調達は、エンターテインメント業界で進む「AIを活用したIP展開」の流れを背景にしている。近年、コンテンツ産業では大量のキャラクターデータや作品群を管理しつつ、多様な市場に展開していくニーズが高まっている。しかし、従来は属人的な判断に頼る部分が大きく、スピードや効率性に課題があった。Visual BankのAI支援ツールは、これらの課題を解決する仕組みとして期待されているようだ。

同社は今回の資金を活用し、AIモデルの高度化とセキュリティ基盤の強化を進めると同時に、国内外のIPホルダーとの提携を拡大していく方針だ。また、今後はアニメーション制作やゲーム開発企業への導入も視野に入れ、IPのグローバル展開を支援する体制づくりを進めるという。

シリーズBでの約11億円という規模は、国内スタートアップにおいても比較的大型の調達に位置づけられる。IPとAIを融合させた市場は今後さらに成長が見込まれており、Visual Bankの取り組みがエンタメ業界の新しい標準となる可能性もあるだろう。