チケミーがクリエイター視点の進化へ向けて5,000万円を調達

NFTチケットプラットフォーム「TicketMe(チケミー)」を展開するチケミーが、第三者割当増資によって5,000万円の資金調達を実施したことを、2025年6月6日に発表した。今回の資金調達は、同社が注力する“クリエイター視点でのサービス強化”に向けた取り組みの一環として位置づけられている。
チケミーは、ブロックチェーン技術を活用したNFTチケットの発行・販売・管理を可能にするプラットフォームを開発・提供している。従来の電子チケットでは難しかった「唯一性」や「所有の証明」を担保することができる点が特徴で、音楽ライブ、舞台公演、トークイベント、スポーツ試合など、多様なイベントの主催者から注目を集めてきた。
NFTチケットを活用することで、チケット自体がファンにとってのデジタルコレクションとなり、転売防止や来場者限定特典との連動など、既存のチケッティング体験を拡張する可能性が広がっている。主催者にとっては、来場者との中長期的な関係構築が期待でき、アフターイベントでの継続的な価値提供や、ブランド形成にも寄与する仕組みとして評価されているという。
今回の調達資金は、特にクリエイターや主催者が自身のブランド性やファンとの関係性をより高めるための機能拡充に活用される予定だ。具体的には、チケットのデザイン自由度の向上、ファン向けの限定コンテンツ配信機能、NFTの二次流通設計の最適化など、サービスのユーザー体験を根本から見直す方針だという。また、同社は今後、イベント領域以外でのNFT活用も模索しており、芸術作品、コミュニティ運営、スポーツファンクラブなど、リアルとデジタルが交差する体験領域における展開を視野に入れている。NFTを単なる「デジタルチケット」ではなく、ファンエンゲージメントを深める“体験装置”として再定義する取り組みが進行中だ。
チケミーは、今後もサービス提供先の拡大とパートナーシップの強化を通じて、「体験と価値の再構築」を掲げる姿勢を鮮明にしている。NFT技術が浸透しつつある現在、誰がどのように“デジタル体験”を設計するかが問われる中で、同社の挑戦は引き続き関心を集めそうだ。