NEWLOCALがシリーズAで4億円を調達し地域と共に育つ都市再生を目指す

NEWLOCALが、シリーズAラウンドで総額4億円の資金調達を実施したと発表。出資には、サムライインキュベート、JR東日本スタートアップ、KDDI、みらい創造機構、伊藤忠テクノロジーベンチャーズなどが参加したという。
NEWLOCALは、「まちに根ざし、まちと共に育つ」を理念に掲げ、地域における共創型の不動産開発を手がけるスタートアップ企業である。地域のプレイヤーと協働して土地の取得から企画、設計、ファイナンス、テナント誘致、運営までを一貫して行う仕組みを構築し、「共創による都市再生」の実現を目指す。これまで東京・大塚の「ba01」や、山口県下関市での複合施設開発など、都市と地方を問わずまちづくりのプロジェクトを展開してきた。2021年に設立され、代表を務める川内イオ氏はジャーナリストとしても知られている。
今回の資金調達により、NEWLOCALは不動産開発の対象地域を全国10カ所へと拡大し、各地の民間企業・自治体・金融機関との連携を深めていく方針を示した。また、各プロジェクトを支える人材基盤の強化や、プロダクト開発の内製化にも注力するという。
同社の取り組みは、不動産ディベロッパーの枠を超え、地域経済に直接作用するモデルとして注目されている。単なる施設開発ではなく、「その地域ならではの営み」を育む土壌を築く点が評価されており、まちづくりに携わる地元の人々との関係性構築を重視する姿勢が特色である。
出資元となるJR東日本スタートアップやKDDIは、地域活性化やスマートシティ構想といった領域への関心を強めており、NEWLOCALの掲げる「共創」や「地域との並走」というビジョンと親和性が高いとされる。スタートアップという形態ながらも、自治体や大手事業者との複雑な連携を成立させる設計力は、業界内でも高い評価を得ているという。
累計調達額は今回のラウンドを含めて10億円に到達。新たな地域との連携や、地域ごとの特性に応じたまちづくりの手法を確立するための礎となる。人と場所を結び直す不動産開発として、社会的価値を問う同社の取り組みは、全国各地で共感の輪を広げつつある。地域を主語とするまちづくりの新たな潮流として、その歩みに目が離せない。