EC向け積立決済SaaSを提供するリスポが1.2億円を調達
EC向け積立決済SaaS「Respo」を提供するリスポが、プレシリーズAの1stクローズとして第三者割当増資にて1.2億円の資金調達を実施したと発表。今春には2ndクローズでの追加調達を予定しているようだ。

■資金調達の背景と積立決済(SNBL)のトレンドについて
「Respo」は、”積立決済機能”を企業側のECサイトに組み込み・導入ができる決済SaaSでだ。現在は、EC事業や旅行事業を行う事業会社を中心に提供している。
ECとは、インターネットのネットワークを経由して、契約を結び、決済を交わすということだ。 物を売買するケースもECと呼び、企業間取引のBtoB、企業と個人の取引であるBtoC、そして個人間の取引であるCtoCなど、すべてがECとなるのだ
EC市場は引き続き拡大を続ける一方で、競争環境は一段と厳しさを増しているようだ。
多くのメーカーがオンライン販売を強化する中、広告費の高騰によって新規顧客の獲得が難しくなり、既存顧客へのアプローチを重視する戦略が必要とされている。
このような状況下で、顧客体験を向上させ、リピート率を高める施策への関心が高まっているという。特に、「積立購入」のような新しい購入モデルは、持続可能な消費を志向する消費者に支持され、今後のEC市場において重要な役割を果たすと期待されている。
1.近年、積立決済(SNBL)がFintech業界で再注目
消費者が事前に資金を積み立てることで商品やサービスを購入する「Save Now, Buy Later(SNBL)」が、近年のFinTech業界で注目を集めている。
積立決済は、「Buy Now, Pay Later(BNPL)」後払い決済とは異なり、負債を伴わない購入モデルとして評価されている。
積立決済は消費者が計画的に貯蓄し、十分な資金を準備した上でお得に購入を行う仕組みだ。この仕組みにより、経済的な不安を軽減し、持続可能な消費行動を促進しているという。 特に、若年層や経済的に慎重な消費者層の間で、積立決済の需要が高まっているのだ。
メーカー側にとっても、消費者が特定の商品やサービスに積立を行うことで顧客への報をが向上し、顧客との長期的な関係構築につながる点が注目されています。
また、負債リスクを低減することで社会的責任を果たす手段としても、積立決済が支持されているのだ。
2.後払い(BNPL)が抱える課題とその影響
一方で、後払い決済は、手軽に利用できることから急速に普及してきた決済手段だが、その弊害も顕著になりつつあるという。
後払い決済は消費者にとって即時に購入を可能にする利便性を提供する一方、支払い遅延や利息負担などの問題が増加しているようだ。
特に支払い能力を十分に考慮せず利用する消費者が多いことが、負債の蓄積を助長しているとの指摘がある。今後も大きな課題になってくるだろう。
3.積立決済に期待される役割
これらの背景から、積立決済が後払い決済に代わる新しい購買モデルとして注目されている。負債を伴わない積立決済は、消費者に安心感を提供するだけでなく、企業にとっても持続可能な収益モデルを構築する手段となり得まるだろう。事前に消費者が積立を行う仕組みは、購入意欲を高めるだけでなく、メーカーの信頼性を強化する効果もある。
さらに、EC事業者が積立決済の導入を進めることで、市場全体における「計画的な消費」のトレンド形成も見込めます。積立決済は長期的な消費行動の健全化に寄与するモデルとして、今後の成長が期待されている。
今回の資金調達により、「Respo」は以下の2つの重点施策に注力していくという。
・開発組織を強化し、優秀なエンジニアやデザイナーの採用を推進する。これにより、技術力の底上げを図り、より良いサービスの開発を目指す。
・既存のプロダクトの進化と新機能の追加を通じて、ユーザー体験をさらに向上させる。特に、柔軟な決済プランやより直感的なUI/UXの開発を進め、利用者の多様なニーズに応えることを目指す。
これらの取り組みを通じて、「Respo」は、積立決済という新たな購買体験を提供するリーディングカンパニーとしての地位確立とさらなる事業拡大を目指していくようだ。
■公式HP
http://respo.io