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渋谷区が「HerRise」女性起業家育成プログラムを始動し6月18日から全6回のワークショップ・相談会を展開

東京都渋谷区が、女性起業家やこれから起業を目指す女性に向けた育成プログラム「HerRise(ハーライズ)」の開催を発表した。プログラムは2025年6月18日から開始し、全6回にわたってワークショップや個別相談会などを展開する。

HerRiseは、渋谷区が主導する女性の起業支援プロジェクト。2024年に開始され、今年で2回目の開催となる。事業の主な目的は、女性起業家が事業アイデアを具体化し、実現可能なビジネスプランへと落とし込むまでのプロセスを伴走支援することにある。初年度の参加者からは、具体的な事業化やアクセラレータープログラムへの参加などにつながる成果も報告されている。

今回の2025年度プログラムでは、「STEP 1:はじめの一歩」と題し、起業を目指す女性に必要な知識・スキルをインプットする全3回のワークショップを皮切りに、専門家による個別相談会を含む「STEP 2:チャレンジ編」へとつなげていく設計となっている。全体を通して、ビジネスの種を育てるところから、初期の事業モデルの仮説検証までを一貫して支援する構成だ。

開催概要とスケジュール

STEP 1の初回は、2025年6月18日(水)にスタート。以降、7月10日・7月30日にかけて全3回のワークショップが行われる予定となっている。STEP 2では、さらに深掘りした事業計画づくりや、渋谷区が提携する専門家とのマッチングなどを通じて、実践的な学びの機会が提供される。

対象となるのは、以下のような女性たちだという。

  • 渋谷区内で起業を考えている、または関心のある女性
  • 起業に関心はあるが、具体的に何から始めて良いかわからない女性
  • 自身のアイデアを整理し、事業化に向けて動き出したい女性

定員は20名程度で、応募多数の場合は選考制となる。参加費は無料。

背景にある“女性起業家支援”への重点姿勢

渋谷区は、近年スタートアップ支援に力を入れており、特に女性起業家へのアプローチを強化している。背景には、スタートアップ業界における女性起業家の割合の低さがある。内閣府や中小企業庁の調査によれば、日本の女性起業家比率は欧米と比べて依然として低く、起業を志す段階での情報不足やロールモデルの不在が課題とされてきた。

そのような現状に対し、HerRiseは、初学者でも参加しやすいプログラム構成や、安心して相談できる場づくりを通して、女性たちが一歩を踏み出すきっかけを提供することを目指している。

自治体とスタートアップ支援の今後

渋谷区はこれまでも、区内のスタートアップ拠点「Shibuya Startup Support」などを通じて、創業支援やグローバル展開支援を進めてきた。今回のHerRiseも、そうした文脈の中で位置付けられる取り組みだ。

行政とスタートアップエコシステムの接続が重要性を増す中で、HerRiseのような分野特化型・地域密着型のプログラムは、今後さらに増えていく可能性が高い。女性起業家の裾野を広げる取り組みとしても、その成否が注目される。