ジェトロ×テックスターズ東京が特別セッション開催し世界の投資家に日本スタートアップの可能性を発信

日本貿易振興機構(ジェトロ)が、グローバル・アクセラレーターとして世界的に知られるテックスターズ東京と連携し、2025年5月20日に国内外のエンジェル投資家を対象としたオンラインセッションを開催した。本イベントは、日本のスタートアップ市場が持つ魅力と、将来的な投資先としての可能性をグローバルな視点で紹介することを目的としており、海外投資家との新たな接点創出と日本企業の国際展開支援を狙いとする取り組みの一環となっている。
近年、日本ではスタートアップ育成に向けた政策的支援が強化されており、政府が掲げる「スタートアップ育成5か年計画」や、官民ファンドによる出資体制の整備などを背景に、エコシステム全体の地盤が強固になりつつある。スタートアップの数も右肩上がりで推移し、特にAI、ヘルステック、クライメートテックといった領域では、技術革新と社会課題解決を両立する企業が多数登場している。
今回のセッションでは、ジェトロおよびテックスターズの担当者が登壇し、最新の市場動向や政策支援の枠組み、日本独自のスタートアップ文化について解説。また、グローバル展開を進める日本発スタートアップのピッチや、過去に海外資金調達を実現した成功事例なども紹介された。セッション中には、投資家との質疑応答も活発に行われ、日本企業のユニークな技術力や事業構想に対して高い評価が寄せられたという。
テックスターズ東京は、世界150都市以上で展開するスタートアップ支援ネットワーク「Techstars」の日本拠点であり、国内外の起業家をつなぐアクセラレーションプログラムを運営している。今回のようなグローバル投資家向けイベントの共同開催は、同拠点のネットワークを生かし、日本スタートアップの国際化を支援する活動の一部として位置づけられている。
ジェトロはこれまでも、日本企業のグローバル市場進出を後押しする多彩な支援プログラムを展開してきた。特にスタートアップ支援においては、海外展示会への出展支援、現地市場の調査レポート提供、現地VCや企業とのマッチングイベントの開催など、多層的な支援メニューを整備している。今回の取り組みも、こうした活動の延長線上にあり、早期からグローバル視野を持つ起業家にとって、大きな後押しとなるものだといえる。
イベントの最後には、ジェトロの担当者より「日本のスタートアップが持つ技術力と持続可能性へのアプローチは、世界の投資家にとって新たな投資機会となるはず。今後も多様な連携を通じて、海外からの投資を呼び込み、グローバルスタートアップの育成に貢献していきたい」とのコメントがあった。
世界の投資家と日本のイノベーションをつなぐ今回のようなセッションは、今後の日本スタートアップ市場の成長を後押しする起点となりそうだ。