
株式会社ZEXAVERSEは2025年9月26日、誰でも簡単に自分だけのデジタルコインを作成・発行できる新サービス「コインメーカー」を発表した。メタバースやNFT、ブロックチェーン技術を専門とする同社が開発した本サービスは、高度な技術知識や莫大な初期費用なしに、わずか3分で独自のデジタルコインを作成できるという画期的なプラットフォームだ。
無限の可能性を秘めた「ZEXAVERSE」の新サービス
「ZEXAVERSE」という社名は、デジタル単位の「ゼタ(10の21乗)」と「エクサ(10の18乗)」を掛け合わせた造語で、無限のメタバース空間を創造するという同社の壮大なビジョンを体現している。同社はこれまで、ドローン技術を活用した3Dスキャンによって世界各地の遺跡や水中遺物などをデジタルツイン化し、VR/ARで体験できるサービスを展開してきた。
そして今回発表された「コインメーカー」は、同社が培ってきたブロックチェーン技術を活用し、Web3の世界を一般ユーザーにも身近なものにするという意欲的な取り組みだ。

誰でも3分でデジタルコイン作成が可能に
「コインメーカー」の最大の特徴は、その手軽さにある。ユーザーは自分の写真をアップロードするか、AIに指示を出して好みのデザインを生成し、コインの名前と発行枚数を決めるだけで、オリジナルのデジタルコインを作成できる。完成したコインはブロックチェーン上に記録され、偽造・改ざんが不可能な真正なデジタル資産となる。
このサービスは完全無料で提供され、個人から企業まで幅広いユーザーが利用できる。従来のブロックチェーンサービスでは送金時に発生していた手数料も無料化されており、ユーザー間でのコイン送付もスムーズに行える点が画期的だ。
思いつくまま意のままに|多様な活用方法
記者発表会では、「コインメーカー」の幅広い活用事例が紹介された。例えば、下記のような活用方法だ。
- 小売店がポイントシステムとして活用し、来店客にコインを配布して特典と交換
- イベントの記念コインとして参加者に配布し、思い出として保存
- アーティストやクリエイターがファンに向けて特別コインを発行し、保有者限定特典を提供
- 結婚式や成人式などの記念行事で参加者に配布し、デジタル記念品として
- 投票システムとして活用し、透明性の高いランキングや選挙を実施
- 位置情報と連動させて特定の場所でのみ取得できるコインを設置し、観光促進や集客に活用
さらに、QRコードやURLにコインを埋め込む機能も搭載されており、SNSなどを通じた効率的な配布も可能。
ARメタバースとの連携で広がる可能性
同社は「コインメーカー」と連動するARメタバースマップも同時発表。位置情報ゲームのように、特定の場所に行くことでのみ入手できるデジタルコインを設置できるサービスだ。これにより、観光促進や店舗への集客、イベント時の人流コントロールなど、リアルとデジタルを融合した新しいマーケティング手法が可能になる。
同社が得意とする3Dスキャン技術とARを組み合わせることで、例えばピラミッドやスフィンクスのARを特定の場所に表示させ、それを見た人だけがコインを入手できるといった、リアルな体験と連動したデジタル資産の獲得も実現できるという。

ビジネスモデルと今後の展望
完全無料のサービスとして提供される「コインメーカー」だが、収益モデルは広告収入を想定している。特にコイン受け取り時に表示される広告のインプレッション単価をベースにした「オンチェーン広告」を展開予定だ。ブロックチェーン上で記録される広告は追跡可能で信頼性が高く、新たな広告モデルとして注目される。
技術的には暗号資産の仕組みを用いつつも、法的には一般的な暗号資産とは異なる位置づけとなっているため、気軽に利用できるのも特徴だ。また、発行制限も事実上なく、必要に応じて100兆個もの大量発行も可能という。
質疑応答では、NFTやポイントシステムとの違い、企業の独自プラットフォームへの組み込み可能性など多岐にわたる質問が寄せられ、同サービスへの期待の高さがうかがえた。
株式会社ZEXAVERSEは、このサービスを通じてWeb3技術の民主化を推進し、ブロックチェーン技術をより身近なものにすることを目指している。今後ユーザーから生まれる多様なアイデアや活用方法が、さらなる可能性を広げていくことだろう。
