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IVS2025で存在感を高めるGAFA人材──出身者起業家や連携志向スタートアップが一堂に集結

2025年7月2日から4日にかけて開催されたスタートアップカンファレンス「IVS2025 KYOTO」で、GAFA(Google・Apple・Facebook・Amazon)出身者による起業や、GAFAとの提携・協業を視野に入れたスタートアップが多数出展した。グローバル大手企業での経験を活かしながら、独自の技術やサービスで日本発のイノベーションを推進しようとする動きが加速している。

IVSは国内最大級のスタートアップカンファレンスとして知られ、起業家、投資家、大企業関係者らが集う一大イベント。今回のIVS2025では、特にGAFA出身の起業家やエンジニアが登壇するセッションが注目を集め、プロダクト開発やスケール戦略における具体的な知見が共有された。加えて、出展ブースにはGAFA在籍経験を持つメンバーが中核にいるスタートアップが複数見られ、ピッチイベントやネットワーキングの場でも積極的な動きを見せた。

背景には、GAFAで培ったプロダクト設計やグローバル視点のビジネス運営ノウハウが、日本のスタートアップにおいて希少価値として評価されるようになってきたことがある。また、近年ではGAFAが国内スタートアップとの事業連携やアクイハイヤー(人材獲得型M&A)にも前向きであることから、彼らとの距離を意識した経営戦略をとる起業家も増えているようだ。

実際、会場では「元Googleエンジニアが立ち上げたAIスタートアップ」や、「元Amazon社員が日本の物流課題に挑むSaaS企業」など、具体的な出自と課題意識を軸にした事業紹介が目立ち、来場者や投資家からの関心も高かった。採用の面でも、GAFA経験者の採用やメンタリングを打ち出す企業が複数あり、グローバル競争力を意識した組織づくりが志向されている。

IVSという場を通じて、世界基準の知見とネットワークを持つ人材が国内のスタートアップシーンでどのように活躍しているかが可視化され、今後の起業トレンドや投資家の評価基準にも影響を与える可能性がある。日本のスタートアップエコシステムにおける「グローバル経験者」の価値が、一層重要性を増していきそうだ。