“This is 令和スタートアップ”で2025年の潮流を議論 VC・起業家が語る戦略と市場環境の変化

2025年7月16日から27日にかけて開催されたスタートアップカンファレンス「This is 令和スタートアップ」では、2025年上半期の資金調達動向や東証グロース市場の制度改革を背景に、スタートアップを取り巻く新たな戦略と成長環境について多角的な議論が交わされた。
イベントには、起業家やベンチャーキャピタリスト、上場企業の経営者など多様なステークホルダーが登壇。テーマは「令和時代のスタートアップのリアル」と題し、特に資金調達の減速やバリュエーションの変化、グロース市場での出口戦略の現実と可能性について活発な意見交換が行われた。
注目されたのは、2025年上半期におけるシリーズA・Bラウンドの調達件数と金額の鈍化に関する分析だ。いくつかのセッションでは「レイターステージのVCが慎重姿勢を強めている一方、初期段階の資金提供は活性化の兆しもある」との指摘もあった。
また、東証グロース市場が推進する「成長可能性に関する開示制度」の運用見直しに関しては、透明性の確保やIR体制の強化が求められる一方で、「上場=ゴール」から「上場=通過点」への認識転換が進んでいるとの声が目立った。
スタートアップ側の戦略も変化している。資本政策におけるラウンド設計の見直しや、PL重視の経営体制への移行、海外展開による成長機会の獲得など、従来よりも持続可能性や出口戦略を意識した経営が増えているとされた。
本イベントは、国内のスタートアップエコシステムの現状を映し出すと同時に、令和時代における次の成長モデルを模索する機会となったようだ。今後もこうした場を通じて、起業家と投資家の対話が一層深化していくことが期待される。
