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手術AI支援システム開発のDireavaがシリーズA資金調達を行いグローバル展開と臨床体制強化へ

医療AIスタートアップのDireavaが、ニッセイ・キャピタルおよびSBIインベストメントを引受先とするシリーズAラウンドの資金調達を実施したことを明らかにした。今回の調達により、同社は外科手術を支援するAIナビゲーションシステムの研究開発や臨床体制の強化、グローバル展開に向けた基盤構築を加速させるという。

Direavaは、現役外科医である竹内優志氏により設立された医療AIスタートアップだ。手術中の解剖構造をリアルタイムに認識し、医師の判断を支援するナビゲーションシステムを開発しており、術中の安全性向上と合併症リスクの低減を目指している。国内外40以上の医療機関と連携し、臨床現場での検証を通じて製品化を進めるとともに、国際的な承認取得にも注力している。

今回の資金調達は、製品モジュールの高度化に加えて、医療機関との連携体制の拡充、グローバル人材の採用、さらに米国・欧州を中心とした臨床研究や薬事承認(PMDA/FDA)対応の体制整備を主な目的としている。また、今後の展開においては、術中支援という未開拓の医療AI市場で確固たるポジションを築くことを見据えているという。

投資家からも、Direavaの取り組みには大きな期待が寄せられている。ニッセイ・キャピタルの松尾健介氏は、「現場を知る外科医が立ち上げた企業ならではのリアリティがある。術中支援というテーマに正面から挑む姿勢に可能性を感じた」とコメント。SBIインベストメントの中山美智子氏も、「外科医の働き方そのものを変える可能性がある」とし、医療現場の生産性向上に対するDireavaの貢献を評価した。

医療分野におけるAI活用の流れが進む中、Direavaの技術は外科手術という高度かつ繊細な領域に新たなソリューションをもたらす可能性を秘めている。現場起点のプロダクト開発を強みに、同社が描くグローバルな成長戦略に今後も関心が寄せられそうだ。