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地域と都市の人材をつなぐマッチングサービスを展開するおてつたびが2億円の資金調達

地域と都市の人材をつなぐマッチングサービス「おてつたび」を展開する株式会社おてつたびが、シリーズAラウンドで総額2億円の資金調達を実施したと発表。引受先にはKDDI、ANAホールディングス、博報堂DYベンチャーズ、ニッセイ・キャピタルなどが名を連ねている。今後はプロダクトの高度化と地方との関係人口創出に向けた事業強化を進める方針のようだ。

おてつたびは、「知らない地域で、誰かの役に立つ旅を。」をコンセプトに、農業や観光業など地域の短期的な人手不足と、都市部在住者の旅・副業ニーズをマッチングするプラットフォームを運営しているスタートアップである。2018年に創業し、地域事業者と都市住民との新しい関わり方を創出。従来の“アルバイト”とも“ボランティア”とも異なる「お手伝い付きの旅」という新しい仕組みが、Z世代や副業希望者を中心に支持を集めている。これまでに日本全国47都道府県すべてにおいて「おてつたび」の受け入れが実施されており、地域の労働課題解決と関係人口の創出に貢献してきた。

今回の資金調達では、既存プロダクトの改善に加え、受け入れ地域・参加者双方の満足度向上やデータ活用によるマッチング精度の向上、さらには地方自治体や企業との連携強化が図られる予定だ。また、元マクアケCTOであり、現在はスタートアップ支援や投資活動も行う生内洋平氏がプロダクト戦略顧問に就任。今後の事業戦略やプロダクト開発の体制強化にも注目が集まる。

KDDIやANAなど大手企業の出資が実現した背景には、観光・地域活性・人材領域にまたがるおてつたびのビジネスモデルが、各社の地方創生戦略と親和性が高いことがあると見られる。特に、ANAホールディングスとは今後の協業を視野に入れており、移動と働く体験の融合による新たな地域滞在型観光の創出が期待されている。
地方における人手不足と、都市住民の“ゆるやかな関わりしろ”へのニーズは、今後さらに拡大していくと考えられる。おてつたびはその結節点として、関係人口というテーマを超えた“都市と地域の共生インフラ”を目指していく構えだ。