オンライン商談の分析システムを販売するamptalkが、顧客を演じる人工知能と対話しながら商談の練習ができる新製品を4日発売する。営業人員の研修を効率化したい大手企業などの需要を取り込むようだ。さらに製品開発にあてる資金として第三者割当増資で10億円を調達したと発表した。累計資金調達額14億円になったようだ。
新製品はPCを通じて顧客を演じるAIと音声で対話する。利用前には営業事例や商品概要が書かれた資料をAIに学習させ、場面もクレーム対応や初対面など自由に設定できるほか、AIが演じる顧客の人物像も「気難しい」など10種類用意したという。
顧客との声のやり取りは本人や周囲が確認しやすいように画面上に文章でも表示する。対話が終わると「質問への対応」や「情報の正確性」など3項目で内容を評価する。それぞれ5点満点で採点し、改善すべき発言や良かった発言も理由と共に具体的に指摘するようだ。
価格は1アカウントあたり月額5000円で、初年度で100社への導入を目指す。商談の研修は先輩社員や上司が対面で対応する場合が多く、営業人員を多く抱える企業には負担が大きかったとのことだ。
第三者割当増資はベンチャーキャピタルのグローバル・ブレインやエンジェルブリッジ、個人投資家などを引受先として実施した。調達した資金でエンジニアを中心とした人材採用も進める。従業員を2027年末までに現在の5倍となる200人程度を目標に増やしていくようだ。
amptalk 代表取締役社長 猪瀬 竜馬氏は「営業という領域は、「営業を科学する」と何度も聞いたフレーズがありながらも、実態としてはほとんど何年も変化がなく、難解である一方で無限の可能性を秘めたフィールドです。今回、新たな資金をもとに、これまで培った最強のチームで作り出してきたノウハウとテクノロジーをさらに進化させ、マルチプロダクトを開発して展開することで、この社会的チャレンジに幅広く応えていく体制を構築します。私たちの目指す未来は、営業という職種が持つ本質的な価値を最大限に引き出し、全ての企業が競争力を持てる世界です。私たちの熱い想いとともに、営業の常識を覆し、世にヒーローを作っていき、革新的な価値を届ける会社に成長して参ります。」と語る。