医療機器の東北医工 リハビリロボの製造販売を国が承認 

医療機器の東北医工が23日、脳疾患などで片手指にまひがある患者向けリハビリテーションロボットを医療機器として製造販売する承認を厚生労働省から得たと発表した。3月3日に発売する予定だという。1台500万円で販売目標は初年度10台。2年目以降は前年の2倍のペースで売り上げを伸ばしたいようだ。

東北医工とは、片麻痺リハビリロボットをはじめとする医療機器の開発に取り組んできた企業だ。
これまで培ったロボティックス技術を活用し、岩手大学をはじめとする各大学の研究機関との産学連携を推進しながら、療法士による徒手的なリハビリテーションの一部を代替する、医療機器の開発分野に挑戦している。
今回のリハビリロボ以外にも服薬支援装置の製品もあり、この服薬支援装置は、時間になると音楽がなり、その時間に服薬する薬が出てくる。飲み忘れた時には支援者に音声で電話連絡をしてくれる。これにより支援者が見守りを行うことができる「デジタルお薬箱」のような仕組みの機械も提供している。

今回承認を得たリハビリロボの製品名は「手用ロボット型運動訓練装置ウーベルト」だそうだ。社長の大関一陽氏は記者会見で「患者自らが機能回復に取り組めるため、本人のQOL(生活の質)だけでなく、支える家族のQOL改善にも寄与できる」と述べた。

患者は装置に両手を入れ、グリップを握る。動かせる方の手の動きを、ロボットがまひの残る手に伝える。訓練を続けることで、まひがある手指の関節の癒着・拘縮を防ぎ、可動域の改善が期待できるようだ。
麻痺や疾患により、生活に不自由を感じている患者QOLの向上のきっかけになることを多いに期待したい。