九州電力や西鉄が13件の事業アイデア実証へ 「シンケツゴー!フクオカ」

九州電力と西日本鉄道、TOPPANの3社で構成するオープンイノベーション推進コンソーシアム「シンケツゴー!フクオカ」が、福岡市内で初の成果報告会を開いたようだ。2024年度は国内外のスタートアップなどから約300件の事業アイデアが集まり、計13件が最終選考を通過したという。今後、3社はそれぞれの協業先とアイデアの実証や事業化をめざす。

シンケツゴー!フクオカとは、九州電力株式会社、西日本鉄道株式会社、TOPPAN株式会社が設立した、福岡・九州のオープンイノベーション推進を目的とした共同事業体(コンソーシアム)だ。2024年問題に象徴される労働力不足の解消、地球温暖化を解決するためのカーボンニュートラルへの対応などは福岡・九州においても喫緊の社会課題となっています。シンケツゴー!フクオカでは、福岡・九州地域の社会課題解決を早期に実現するため、3社がこれまで行ってきた事業やオープンイノベーションの活動を通じて獲得したアセットやフィールド、事業共創の知見を掛け合わせ、福岡・九州におけるオープンイノベーションの更なる推進を目指している。

九州電力は、オープンイノベーションプログラム「ひらめきと共創」で4件の提案を採択した。東京大学発スタートアップのGaia Visionとは海外で水力発電事業を展開する場合の発電収入の予測シミュレーション技術を検証し、ESREE Energyとはコンクリートを用いた蓄熱蓄電の実証をめざすという。

西日本鉄道は、同様のプログラム「Join up with Nishitetsu」で60項目以上の社内課題を公表し、その解決策を募った。5件の提案を採択し、アジラとは駅や商業施設にある防犯カメラの映像を人工知能が解析して異常を検知するサービスの導入を検討するようだ。

TOPPANは4件の提案で実証実験を検討しており、ベホマルと二酸化炭素を吸収する物質をインクに混ぜた印刷物の製品化をめざす。

同コンソーシアムは24年6月に発足した。各企業が実施するオープンイノベーションプログラムに届いたアイデアを互いに共有し、社内課題の解決に生かすとともに、スタートアップにより多くの協業先候補を提供することを目的にしているという。後援として福岡市やベンチャーキャピタルなども参画している。

■公式HP
https://shinketsugo-fukuoka.jp/